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2016/09/28

バイスタンダ―によるテレフォン CPR が病院外での心肺停止者を救う - その 2

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TCPR プログラム

米国には PSAPs=Public Safety Answering Points(ほぼ日本の救急 119 番に相当)の受信センターが約 6000 ある。州政府により運営され、行政の公共安全部門や独立救急サービス機関、警察、消防機関、医療施設等々と運営形態はさまざまだ。受信センターが通報を受けてどう処理するかは米国では標準化されていない。ほとんどの地域では、まず一次的 PSAPs で受信されたあと、特別な訓練を受けた二次的 PSAPs に回される。

または、全ての電話通報は一次的PSAPs で処理される。成人の心停止 CPR の場合、胸骨圧迫のみでよいとすることを 2012 年に全国に通達が出されている。それでもガイドラインと現場の実践の間には開きがある。TCPR 指示に関する全国規模の調査では、回答した1924 の PSAPs のうち、救急車到着前の指示を与えたのは51%で、胸骨圧迫のみの指示を出すのは 3%に留まった。

効果的な TCPR プログラムのあるコミュニティでは、個々のケースをオペレーターにフィードバックし、プロセスを評価し、Chain Of Survival(救命の鎖)全体のデータと連動させてプログラムを向上させている。プロセスの評価は院外心停止 (OHCA=Out-of-Hospital Cardiac Arrest) の各ケースの音声録音から次の指標で評価している。

1. オペレーターは OHCA が起こっていることを認識したか。
2. オペレーターは CPR の指示を開始したか。
3. 医療訓練のないバイスタンダーはオペレーターの指示通り胸骨圧迫を始めたか。
4. 救急医療センターで通報を受けてからオペレーターが OHCA に気づくまでどれだけ時間が経過したか。
5. 通報を受けてからオペレーターが CPR の指示を開始するまでどれだけ時間を要したか。
6. 通報を受けてから通報者がオペレーターの指示で CPR を始めるまでどれだけ時間を要したか。

音声録音の評価は医療の質を向上させ、OHCA の結果にTCPR がどれだけ影響があったかを見るのに欠かせない。2001 年、ワシントン州キング郡の調査によれば、バイスタンダーCPRでOHCA患者の生存率が向上し、オペレーターの指示のある TCPR ではさらに生存率が上がった。アリゾナ州でもキング郡の例にならって、TCPR の質的向上のプログラムを実施した。

その結果、州全体のデータを分析すると、やはり同様の好結果が得られた。これらのケーススタディーは、電話で指示を受けた未経験のバイスタンダーCPR が、訓練されたバイスタンダー CPR と同様に効果的である可能性を示している。音声録音を分析評価するのは時間のかかる作業だ。

しかしこれは重要なことであり、119 番のコールセンターの基本的なプロトコルの一部に組み込まれるべきだろう。PSAPs によっては心停止通報を年間数百回受ける可能性もある。一つ一つの監査経費が高額になるのが問題だが、解決策もある。TCPR の実績効果測定のために、一定の期間内で監査するサンプル数を決めればよい。この方法は、今必要なことへ焦点を当てることができ、プログラムの質的向上の努力を開始できる効率的な方法である。www.mycares.net では無料でデータ収集のツール、用語辞典、データ収集に関するウェビナーなどを提供している。

結論

全国的に、TCPR の活用度はまだ高くないようだ。だが、TCPR は蘇生の可能性を向上させることは明らかだ。スマートフォーンを含め、通信インフラは整備されているため、わずかな資本投資しか必要としない。米国医学研究所(National Academy of Medicine) は TCPRの全国的なプロトコルと標準的なトレーニング・プログラムの開発が推奨している。

ガイドラインに則ったプロトコルの下で、適切な訓練を受けたオペレーターは、効果的に OHCA を特定し、通報者に冷静で力強い指示を与え、バイスタンダー CPR を開始させることができる。オペレーターたちは、訓練されていない通報者にに効果的な CPR を実施させ、毎年多くの街で何千もの人命を救う可能性を秘めている。
( JEMS December 2015, P.10 When Life’ s on the Line より抄訳 )