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ニュースレター
2018/05/23

NO.48 偶発的な開示

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INCIDENTAL DISCLOSURES
偶発的な開示

傷病者のプライバシーには限界がある

傷病者が迅速かつ効果的にプレホスピタルケアを受けるためには、さまざまなコミュニケーションが重要な役割を果たす。これらの業務の性質および救急医療の特殊な環境のため、保護されるべき傷病者の健康情報(PHI=Protected Health Information)が「偶然に」開示される可能性がある。偶発的な開示は傷病者の手当てをする際の、通常のプロセスの一部であり、別の言い方をすれば、手当てに「付随している」とも言える。
傍観者が、救急救命士らが傷病者について話し合っているのを、耳にするかもしれない。現場で、傷病者の手当てを見たり、病院へ伝える傷病者の情報を聞くかもしれない。これらは偶発的な開示とみなされる。
HIPPA(Health Insurance Portability and Accountability Act:健康保険の継続と責任)法は、これらの業務上不可欠なコミュニケーションを妨げることを意図しているわけではない。この法律は、傷病者情報の偶発的開示のリスクを全て排除することは求めていない。その代わり、HIPAAは常識的な方針を採用している。救急医療機関が開示を最小限に抑えて患者のプライバシーを守るための合理的な防御措置を講じている限り、偶発的な傷病者情報の使用や開示をある程度認めている。

偶発的な開示の削減

1.口頭で傷病者情報を話す
どこにいる場合でも、傷病者の手当てに関与している人とのみ、傷病者情報について話し合う。
傷病者と傷病者情報について話し合うときは、適切な手段で、傷病者の手当てに関与している者しか聞こえる範囲にいないことを確認する。
傷病者の手当ての妨げにならない限り、傷病者情報について話し合う前に、救急救命士は手当てに関係ない者をその場から排除するよう試みるべきだ。

2.傷病者が傍観者から見える
救急医療は管理されていない環境で行われるため、これはやむを得ないかもしれない。
傷病者の手当てが常に最優先であるべきだ。もし救出に時間がかかり傷病者が公衆の目に触れているなら、
特にニュースメディアがいる場合、傷病者が見えないようにタープ(シート・シールド)を使用することが合理的だろう。
(救急車後部の)傷病者室の窓を覆うカーテンやスクリーンを用意するべきか?
もし窓から充分に外を見ることができなければ、救急救命士と傷病者にとって重大な安全上の懸念がある。
安全に手当てすることの妨げになるなら、傷病者のプライバシーを守るための行動も、するべきではない。
それぞれの状況で個々に判断が下されるべきだ。もし窓からの視界を維持したままで暗くすることが簡単にできれば、そうするべきだ。外からは見えない窓や透明から不透明に変えられる窓など、新しいテクノロジーが普及してきており、所有している場合は使用するべきだ。

3.書面による傷病者の手当ての報告書(PCRs : Paper Patient Care Reports)
書面による傷病者手当てに関する報告書は全て、使用しないときは安全な場所に保管されるべきだ。
傷病者に関する書面の記録は、他人の目に触れる棚や机の上など表に放置してはいけない。さらにメモを含めた請求書、送金通知、明細書または保険金請求書なども、見える所に放置するべきではない。
これらは、職務の遂行に情報が必要な者のみアクセス可能な場所に保管する必要がある。

4. PCによる傷病者の手当ての報告書(ePCRs : Electonic PCRs)
コンピュータ端末や他のモバイル機器は安全管理がなされており、誰がモニターの見える範囲にいるかについて、隊員は敏感でなければならない。
ノートパソコン、タフブック、タブレット、携帯電話などのモバイルデバイスは全て、使用が割り当てられた隊員の身の回りに常にあるべきだ。

5.複数の患者
病院が全ての患者に個室を与える必要がないように、救急車も 一度に1人の傷病者しか搬送できない制限はない。
そんな場合HIPPAは、傷病者情報が偶発的に開示される可能性を最小限に抑えるために、合理的な予防措置を講ずることを求めている。
傷病者の誰かが聞こえるところで複数の傷病者の情報を伝達することはHIPPA違反にはならず、単にやむを得ない偶発的な開示となる。
合理的な予防措置には、救急車の前部から無線送信を行う時、運転席と傷病者室の間のドアを閉じることが含まれるだろう。


結論

傷病者情報の偶発的な開示を制限するための合理的な防御措置は様々であり、多くのファクターに依存する。救急医療機関は各機関のニーズと状況を分析し、傷病者のプライバシーに関する潜在的なリスクを評価する必要がある。
救急医療機関はまた、プライバシー保護の措置を実施することで発生しうる、傷病者の手当ておよび経費や管理上の負担などの面の影響についても考慮する必要がある。
ポイント:救急医療機関とその職員の全てが、傷病者情報の偶発的開示の可能性に敏感になり、情報を知る必要のない者への偶発的開示を避けるべきだ。

 

(JEMS January 2018, INCIDENTAL DISCLOSURES より抄訳)

 

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