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2019/07/02

ヘッドアップCPRは、神経的に障害がなく生存率を改善する可能性がある

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Head-Up CPR May Improve Neurologically Intact Survival Rates
ヘッドアップCPRは、神経的に障害がなく生存率を改善する可能性がある

ハンナ C モーア医師(ヘネピン郡救急医療センター・ミネソタ州) 著 

JEMS Fri,Feb 15, 2019掲載

頭部を高くして補助デバイスを用いるヘッドアップCPRは、頭、胸部、肩を一定の時間、特定の順番で高くすることを含む、複雑なアプローチである。 カバー写真提供:Advanced CPR Solutions社

 

狭いエレベーターで心停止患者を移動させる時、傷病者の頭と足のどちらを上げるべきかという臨床的な疑問に触発されて、2014年に最初の動物実験が行われた。実験では心停止した豚にITD-16(インピーダンス閾値装置)を用いて、5分間自動CPRを行った。
普通の仰臥位、全身を傾けて30度の角度で頭を高く、または30度の角度で頭部を低くする姿勢を試した。

水平の姿勢と比較すると、頭を高くしたグループでは脳血流および脳灌流圧(CerPP)が高く、頭蓋内圧(ICP)が低かった。
頭を低くして全身を傾けたグループでは、顕著に脳灌流圧が低く頭蓋内圧が高かった。

その後の研究では体位をさらに調整して長時間のCPRを行った。ACD(Active Compression Decompression)を22分間使用する間、豚の頭部と胸部を高く保ち、蘇生術中に下肢で発生する静脈血の貯留を軽減するためにITD-16を併用した。頭部を高くしてACD と ITDを使用したグループでは、水平の姿勢のグループと比べて脳灌流圧が高く、蘇生術中ずっと高い数値を維持した(図1参照)。

頭部を高くしてACDとITDを長時間併用するという同様のプロトコルを用いたさらなる研究では、15分CPRを施した後に脳血流が倍になる結果を得、以前の研究で得られた脳灌流圧が高いという結果を再現した。

頭部を高くしてCPRを行う利点の第1のメカニズムは、重力の作用で脳や脳の静脈洞のみならず傍脊椎静脈叢からの静脈血の流出が促進することで、頭蓋内圧を低下させ、新たに血液が流入できる場所を作ることである。
利点につながる2番目のメカニズムは、CPR中に静脈および動脈を介して脳に伝わる圧力を減少させることで、圧迫に由来する脳震盪での損傷を効果的に減少させると考えられる。
3番目のメカニズムには、心不全患者が上半身を立てて座った時に起こるのと同様に、肺を通る血流の再分配が関与している。

動物実験は、頭部を高くしたCPRで蘇生中に適切な平均動脈血圧を維持するためには、血液を体の上部に押し上げるITD-16などの循環補助デバイスの寄与が大きいことを示している。標準的なヘッドアップCPRを実施した場合、蘇生中の脳灌流圧は平常値の7〜10%の範囲になると報告されている。これに比べ、ヘッドアップCPRでACDとITDの併用など循環補助デバイスを用いた場合、またはLUCAS心臓マッサージシステムとITD-16を併用した場合の脳灌流圧は、平常値の50-60%に達する。

ヘッドアップCPRを行う際の他の重要な考慮事項には、以下の項目が含まれる。(上半身を)高くする前に水平の姿勢でCPRを行い、心臓と脳に循環を起こりやすくする。また、全身を高くして長時間CPRを行う場合は時間が経つと下肢に血液が貯まりやすいので、注意する。

ヘッドアップCPRで頭蓋内圧が低下し脳灌流圧が上昇することの発見は、その後、人間の遺体を用いた研究で再現されている。これが、ヘッドアップCPR法が実際に心停止した人間に応用できる段階に達していることを示す、今日までで最も有力な証拠である。
もっと最近の動物実験では、CPRを行う際の最適な頭部の高さや、頭と胸部を高くするタイミングに焦点を当てているが、今日まで最適な角度は決定されていない。しかし手順の効果はあるようで、2分間の「プライミング」の後に最終的に頭を22cm、心臓を9cmの位置まで徐々に上げて蘇生を行うと、ACDとITDの併用で15分以上のCPRを行っても、平常値の70%以上の脳灌流圧および高い冠状動脈灌流圧を保つことが判明した。

ごく最近、フロリダ州パームビーチ郡とカリフォルニア州リアルトでは、ヘッドアップCPRが通常のケアの一部として取り入れられた。
以来、これら2カ所の救急医療機関におけるの生存率は、ほぼ倍になった。ヘッドアップCPRがケアの方法の一つとして正しく適用された場合、心停止した傷病者が神経学的に障害がなく生存できる割合を改善する可能性がある。


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