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ニュースレター
2019/10/29

NO.61 コネチカット州の学校教師が出血コントロールを学ぶ

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Connecticut Schoolteachers Learn Hemorrhage Control
コネチカット州の学校教師が出血コントロールを学ぶ

著者: ジェレミー・フリードリングBA NRP TP-C、スコット・マータス MS LP、    デヴィッド・シャピロ MD MHCM FACS FCCM

JEMS May 23, 2019掲載

コネチカット州ニュータウンのサンディフック小学校で、2012年に乱射事件が起こった後、米国外科医協会(ACS)は、大量死傷事件と意図的な暴力事件における生存者数の最大化を目標に、コネチカット州ハートフォードにおいて「ハートフォードコンセンサス」と題した集会を開催した。この会合の推奨に従って、多くの消防署および救急医療サービス機関が、隊員の出血制御技術の訓練に重点を置いた。ハートフォードコンセンサスはまた、一般市民がその場でレスポンダーとして行動できるよう働きかけ、訓練された救急医療員が到着する前に、一連の応急手当を開始することを提唱した。これに応じて米国外科医協会(ACS)の外傷委員会(COT)および米国救急医療技術者協会(NAEMT)は、一般人が参加できる出血制御の基本的な技術トレーニングプログラム(BCON=the Bleeding Control Basic Course)を設立し、公共の場での出血制御の道具へのアクセスの増加や訓練の増加を目指す「Stop the Bleed(出血を止めろ)」キャンペーンを開始した。BCONコースは1時間のクラスで、生命にかかわる出血を制御した経験が全くない人を含め、地域の市民を訓練するようデザインされている。2015年以来、消防署、救急医療機関、病院、その他の組織から28,500人以上の講師を迎え、全国で35万人以上がこのクラスの訓練を受けた。初期のエビデンスによると、「Stop the Bleed」のトレーニングは参加者の困難に立ち向かう資質を伸ばし、現場での迅速な止血で、受傷者の生存率を向上させた。
本稿では、消防署と救急サービス機関が主催・提供する、郊外の学校区の教師を対象とした「Stop the Bleed」トレーニングプログラムの一例について説明する。

校の安全性の向上

018年3月、ノースヘイブンで学校の安全に関する合同会議が開かれた。 フロリダ州パークランドにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で発生した銃撃事件を踏まえて、ノースヘイブン地域の消防署と警察署が学校区指導層に対して、町の学校の安全性の向上を目的とした提言を行った。学校区の教育長は、「Stop the Bleed」のトレーニングが、生徒の安全性を向上させるための時間・費用効率の高い方法であると同意し、教職員の能力開発の日を、トレーニングにあてた。
トレーニングはノースヘイブン消防署の副署長によって組織されたが、イベントの実施にはコネチカット州各地から集まった様々な病院、消防署と救急部門、民間の救急医療機関を代表する講師陣の調整が必要だった。ノースヘイブンの町には小学校4、中学校2、高校1を含む7つの公立学校があり321人の教師を雇用している。2016―2017年度には学校区全体に3162人の生徒がいた。
「Stop the Bleed」キャンペーンの目標は、外傷発生直後のケアに一般人を登用することで、コミュニティをより安全にすることだ。外傷は1歳から44歳までの個人の主な死因であり、学校は窓や車両・遊具に近い場所に多くの子どもが集まる、リスクの高い環境となっている。
消防署および救急医療サービス部門は、「Stop the Bleed」のトレーニングプログラムを成功させるために必要な専門知識、経験、発信能力を持つ独自の地位にいる。出血制御のクラスは救急医療サービス部門の隊員にとって重要なトレーニングにもなり、地域の人々に救命の知識を提供することができる。消防署および救急医療部門は町、市、または郡政府と頻繁に関与していて、さまざまな集団を対象にしたトレーニングを提唱するために活用できる繋がりがある。消防署と救急医療部門が学校の教職員に出血制御トレーニングを提供することは双方にとって理にかなっているが、以前は困難な企画だった。
「Stop the Bleed」は乱射事件への備えと解釈されることが多いが、そのスキルは地域が経験する様々な外傷が発生した時に利用することができる。トレーニングで教えられるスキルは銃撃被害者の出血抑制にも適用できるが、銃による暴力の犠牲者だけに絞ることは、自動車事故・電動工具による怪我・子どもの遊び場や台所・調理にからむ怪我など、もっと一般的な外傷による緊急事態を無視することになる。

トレーニングを届ける

ノースヘイブンはコネチカット州ニューヘイブンの郊外にある町で、ノースヘイブン消防署(NHFD)は、消防、救助隊、救急医療サービス部門を束ね、専門職員とボランティアとで組織されている。現在働いている医療技術者は、米国外科医協会(ACS)のBCONプログラムを終了して講師の資格を取得した後、消防署によってコースを指導するために採用された。参加者は、それぞれ2時間の中で2つのセッションに分けられた。 講師用の教材と公式なトレーニングの機材は米国外科医協会(ACS)が運営する出血抑制関係のWebサイトで利用できるようになっている。
講義の部分は1人の講師が約1時間にわたって実施し、その後、参加者は実践的なトレーニングを次の1時間で完了するために、15の分室のいずれかに割り当てられた。それぞれの部屋にはインストラクターが2人いて、トレーニング用マネキンが2体、複数の止血帯、ガーゼのパック、圧迫包帯が用意されていた。2018年11月6日、地区全体のトレーニングに34人のインストラクターが同時に参加した。学区の教師321人のうち278人が申し込み(86.6%)、その100%がトレーニングに参加した(278人中278人)。

今後のトレーニングと再認定

ノースヘイブン学校区の教育長は、トレーニングが非常に価値の高いもので、イベントもよく考えて運営されていたとした。今後も消防署と学校区との協力で、残りの43人の教師と、職員や準専門教員を対象としたトレーニングを開催する方針で、既に訓練を受けた教師の再認定についても今後の会議で検討される。「Stop the Bleed」のトレーニングが公立学校で実施されたことはこれまでにもあるが、学校区全体を対象にした単一のイベントは珍しい。そして、地域の人々全員が出血制御技術のトレーニングの恩恵を享受することになるだろうが、コミュニティの子供達を預かる人々に訓練を施すことは最優先事項であるべきだ。我々はこの記事が全国の消防署および救急医療機関にとって、学校の教師を訓練して出血を止め貴重な命を救うという考えの正しさを証明し、かつ動機付けとして役立つことを願っている。


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