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2021/05/06

NO.80 ロサンゼルス郡におけるターニケット使用による救命率の増加

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ロサンゼルス郡におけるターニケット使用による救命率の増加

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病院前駆血帯使用の増加は、傷病患者の生存率を改善し、輸血の必要性を減少させた(画像/米国外科学会)

コントロールされない出血は、「外傷による防ぎ得た死」の最も一般的な原因の1つであり続けている。しかし、ロサンゼルス郡では、受傷者が病院に到着する以前に重度の出血を止めるのに役立つターニケットの使用が増加したため、このような損傷による受傷者の救命は改善している。
ロサンゼルスの南カリフォルニア大学の研究者らが、特にロサンゼルス郡において、ターニケットの使用が経時的に増加しているかどうか、また、受傷者が病院に到着する以前にターニケットを使用して出血をコントロールすることが、合併症なしに受傷者の転帰の改善と関連しているかどうかを判定することに着手した。著者らによると、この研究は、地域全体のターニケット使用のデータを集めた最初のものと考えられると述べた。
研究者らは、「ロサンゼルス郡では、四肢血管損傷例に対する病院前のターニケットの使用が増加している。その使用は、遅発性の切断の危険性を増大させることなく、救命率の向上と輸血必要量の減少に有意に関連している」と結論した。
ターニケットは、以前は軍隊でより多く使用されてきたが、損傷後の死亡を減らす効果があるため、近年、民間においてますます受け入れられるようになってきた。ターニケットの使用は、かつては合併症の心配から外されていましたが、最近の研究では、病院到着後の適切な外科的ケアで、おおむね安全であることが示されている。著者らは、「最近の研究で一貫していると思われるのは、ターニケットの使用は、2時間以上装着した場合でも、遅発性切断のリスク拡大とは関連しないようである。」と述べている。

試験の詳細
研究者らは、2015年10月から2019年7月にかけて、後ろ向き研究を実施した。この研究には受傷者944名が含まれ、そのうち97名には病院に到着前にターニケットが装着されていた。EMS(救急医療サービス)提供者あるいは一般市民によるターニケット装着かに関するデータは把握されていなかった。救急医療サービス提供者の登録およびロサンゼルス郡保健サービス局( LAC-DHS EMS局)の外傷登録からデータを引用した。対象症例は、ロサンゼルス郡の15ヶ所のレベルIまたはレベルIIの外傷センターのいずれかへ救急医療サービスにより搬送された外傷受傷者とした。
研究者らは、研究の中の2つのグループ、病院前ターニケット(PHTQ)を装着したグループと、ターニケットなし(no-PHTQ)のグループを比較した。平均入院期間、集中治療室(ICU)滞在期間、および遅発性切断率は両グループで同じだった。主な相違点としては、以下が挙げられる:
• 院内死亡率は、no-PHTQのグループで有意に高かった(PHTQ 1% vs no-PHTQ 8.9%)
• 病院前のターニケットの使用は、4時間と24時間での輸血の必要量の低下と有意に関連していた(ターニケットをしていない受傷者では4時間で1リットル、24時間で2.5リットル、ターニケットをしている受傷者ではそれぞれ約0.5リットル、1リットル)
LAC+USC(ロサンジェルス郡南カリフォルニア大学)メディカルセンターの一般外科主任レジデントであるヘンリー医師は、「ターニケットの装着数が多いと、死亡率が改善し、輸血の必要量が減少した。しかし、切断率に差はなかった。」と述べた。

外傷センターへのアクセスの重要性
同研究者らは、ターニケットの使用と受傷者の救命率の上昇との間に有意な関連性を認めたが、これらの知見は米国の多くの農村地域よりも外傷センターへのアクセスがはるかに容易であるロサンゼルス郡に特異的であると指摘した。
「ロサンゼルス郡の外傷センターへの平均搬送時間は10~15分程度であり、同国の他の地域、とくに農村地域と比較するとかなり短い。」と、急性期外科部門の助教であるLAC+USCメディカルセンターの米国外科学会特別会員のマツシマ医師は述べた。

STOP THE BLEED 生命を救え
病院前ターニケット使用の増加した要因の1つは、「STOP THE BLEED®」である。これは、米国および世界中のコミュニティで、出血コントロールのテクニック(ターニケットを適用する、圧迫を加える、または創傷部に詰める。)を教えることにより、一般市民に力を与えることを目的とした啓蒙運動である。ヘンリー医師と松島医師は、ターニケットの普及と、出血コントロールのテクニックに関する一般市民の知識の重要性を強調した。出血をコントロールする方法を知ることによって、一般の人々は生命を救う力を得ることができる。
「非常に簡単なトレーニングの後、誰にでもできる非常に簡単な介入として、国民にこれを考えてもらいたい。誰にでも救命はできる。」と松島医師は述べた。
この知見を普及させるために大切なことは、STOP THE BLEEDの及ぶ範囲と救命能力を高めるための政府の方策である。
「地方、州、連邦レベルで、ターニケットを公共の場に普及させ、特定の職種に「出血を止めろ(Stop The Bleed)」のトレーニングを義務的に長く続けることができるように政策へ反映させる必要ある。それは、外科医として、われわれが提唱すべきことである。」とヘンリー医師は述べた。

 

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