ニュースレター 2016/09/28 ターニケットによる受傷現場での活動性外出血の止血 ターニケットによる止血は古代ローマに始まり、一時期使用されないことが近代にあったが、戦場では使われ続けてきた。現代にいたり、IED(Improvised Explosive Device=即製爆発装置) の出現は損傷パターンと戦場トリアージを変容させ、軍では気道管理の前に大量出血の止血を最優先とした。軍は兵士用ファーストエイドキットにターニケットを追加装備し適切な使用方法のトレーニングを義務付けた...
ニュースレター 2016/09/28 バイスタンダ―によるテレフォン CPR が病院外での心肺停止者を救う - その 2 TCPR プログラム 米国には PSAPs=Public Safety Answering Points(ほぼ日本の救急 119 番に相当)の受信センターが約 6000 ある。州政府により運営され、行政の公共安全部門や独立救急サービス機関、警察、消防機関、医療施設等々と運営形態はさまざまだ。受信センターが通報を受けてどう処理するかは米国では標準化されていない。ほとんどの地域では、まず一次的 PSA...
ニュースレター 2016/09/27 救命救急領域の調査に仮説は禁物 調査研究の科学的根拠 心停止の患者におけるALS(二次救命処置)とBLS(一次救命処置)の効果の比較が行われた。被験者は米国内の「非地方地域」に在住のメディケアの受益者で2009年から2011年間に「心停止」のため入院処置を必要とした傷病者だ。研究はEMS(救急救命士)がBLSを行った患者にはBLSの請求を行い、ALSの患者にはALS請求を行ったものと推定し比較した。処置を受けた心停止患者の退院ま...
ニュースレター 2016/09/27 熱傷受傷者の安全と搬送の基本に戻るBLS-熱傷ケアの実例 インシデント 現場は煙が立ち込め、数人の消防士が煙を上げている建物から被災者を運び出している。仲間と急ぎ担架をつかみ救急車へ運び込んだ。報告によると被災者がガレージで燃焼促進剤を使っていたときに出火した模様だ。被災者を発見するのに数分かかったが、燃えている建造物からはすぐに運び出す事ができた。崩れた建物による損傷はない模様だ。 患者アセスメント 患者は 40 歳代男性で、有害物質の刺激を受けたらし...
ニュースレター 2016/09/27 バイスタンダ―によるテレフォン CPR が病院外での心肺停止者を救う - その 1 CPR 倒れてから CPR( 心肺機能蘇生法 ) 実施までに 1 分経過する毎に推定約 5%生存率が下がる。だからこそ、院外心停止 (OHCA=Out-of-Hospital Cardiac Arrest) 患者の生存率の向上にはバイスタンダー CPR*1 が必須なのだ。バイスタンダーCPRによって生存率を倍増させることは可能だ。しかし、CPR トレーニングを一般に広め、成人の心停止には胸骨圧迫を...